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平成8年度から福岡県の呼びかけで始まった「フクオカ・サイエンスマンス(科学技術創造月間)」へ参加は、現在180団体に達しようとしている。青少年への科学理科教育の普及と啓蒙を目指すこの取り組みは、今後、福岡県とNPOの協働という新しいスタイルに衣替えされ、福岡県下の「出前科学実験」に対する助成事業は福岡県からNPOへ委託され実施されることとなった。
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アイランドシティーサイエンスパーク構想への提言
この度、整備事業の対象になったアイランドシティーのサイエンスパーク計画を見ると、完成後の用地で私企業独自の『研究開発拠点の形成』が容易に進むとは現状では予想し難い。むしろ、その一部を市自らが開発し、これを核として企業や団体を誘致する確固とした戦略が必要であろう。以下は、その流れを意識した開発事業に対する我々の提案である。 新しい学術揺籃の地=科学公園の実現を! 構想: 我が国は、近年の急速な工業化で近代化が進んだ反面、若者の科学・技術離れを各方面で指摘されている。アジアに開けた先進国の、また、その門戸である福岡市に在住する我々は、かねてからこの事態を憂慮し、若者の科学・技術離れを防ぎ、我が国の学術立国にも寄与でき、かつ、文化としての科学を普及・発展できる施設としての『福岡市に科学博物館・科学公園の実現』を意識し、同行の志を募り(現在90名)、地道な活動を続けている。(別添資料1:「科学公園」基本構想参照) 当初、建設場所は、九州大学が西区の元岡地区に移転する箱崎キャンパス跡地の活用を一案に考えていた。(別添資料2:「科学の公園をつくろう!」パンフレット参照)しかし、九州大学の移転計画が長期化した現在は、その他の可能性も模索している。その間、一般市民も含めて青少年を主とした対象に、科学の楽しさ、文化としての科学の普及と啓蒙活動を進めている。(別添資料3:機関誌「科学公園」創刊号参照) 今回のアイランドシティー計画に我々が最終的な理想像として描いた別添資料の科学公園基本構想の総てが一気に実現できるとは思わない。先ず、美しい公園で、市民生活と関連が深い分野の学術の専門家と市民、特に青少年とが、気軽に何時でも接触できる場を提供することから始める。さらに、長期的には、学術の進歩と社会の要請を反映させつつ、逐次拡大できる態勢を整えておく。其の過程で、20世紀までに築かれた学術の基礎の伝承とその延長に、新たに生ずる諸問題の解決にも真剣に取り組めて、新たな創造と発想ができる環境が醸成されるであろう。そのような機能を持たせることも、この新しい科学公園に求める。 利便性・効率・大量生産と大量消費の上での、利潤の追求に腐心した20世紀は終わろうとしている。豊かな自然環境に囲まれ、都市整備も進む福岡市の、しかも、人工的に造られた土地で、自然現象と人間社会及び相互の因果関係を、学術専門家と市民とが考えあえば、従来とは異なる次世代・新世紀の、新しい文化としての学術が創造されるであろう。その推進には、基礎科学の普及と、周辺を取り巻く自然を実験室とする環境での思考とが有効に作用するであろう。そのような場として、公的に支援された施設である科学博物館をも兼ねる科学公園の実現を望む。 施設・運営: 従来型の巨大施設や設備の導入は、市予算を圧迫し、運営にも支障を来すであろう。そのような弊害を避け、民意を反映できる方法を塾考すべきである。この計画に賛意を表する企業や個人・諸団体を含めて、改めて意見の集約を行うことを、市当局に希望したい。我々も運営方法等に関し、種々の案を抱いているが、現時点では敢えて具体的な私案の提示は控えたい。 まとめ: 近世日本の文化が凝縮した江戸時代の鎖国時にあって、長崎の出島が唯一の世界に開かれた窓であった。グローバル化の今日、アイランドシティーは21世紀の出島として、アジアの先進国の日本の、また、その門戸である福岡市と市民の誇りになるべきであろう。そこに、我々が描く科学公園が実現し、有効に機能でき、この新たな出島から新たな学術を誕生させ、世界に発信できれば、建設の目的は達成されるであろう。 |