何だろう? 科学の公園について

   〜科学の公園の「趣意書」「基本構想」

科学の公園の「趣意書」

 “訪れた人が自由に研究したり、自然の驚異にふれたり、科学を楽しめる公園がほしい!”
 “専門の研究者と親しく交流できる広場のような場所がほしい”

 そんな夢の実現を目指して、1993年に「科学公園をつくらんかい(会)」という市民グループを立ち上げました(2006年1月に「科学の公園」をつくる会 に改名しました)。会の設立時に作成した趣意書には、私たちの夢と目標となる“科学の公園”の姿が描かれています。

「科学の公園」をつくる会 趣意書

 近年、若者の「理工系離れ」が言われておりますが、その傾向は衰える様子がなく、憂慮すべきものがあります。たとえば、大学受験などの悪影響もあって、高校生の中で物理を選択するものは3分の1に過ぎず、地球環境の科学につながる地学に至っては全く教えていない学校もあります。このような現状は、科学、技術の基礎研究が死活的な重要性をもつ将来の日本にとって極めて憂慮すべき事態だと考えます。しかし、一方に於いて、宇宙や身の周りの自然を理解したい人、「文化」としての科学を楽しみたい人、現代技術の発展に胸を踊らせる人は確実に増えています。問題はこのような人達の要求を満たせる場が無いということです。

 そこで私たちは子供から大人までが生涯を通じて科学に親しみ、科学を楽しむ場としての“科学の公園”を提案したいと思います。

 ここにいう“科学の公園”には次のようなものをイメージしています。美しい公園の中に体験的科学博物館(群)、図書館、講堂、研究室、工作室、討論室などが配置されており、来園者はそれを利用して存分に科学を楽しむことが出来ます。博物館では、科学・技術の発展の歴史や成果を展示で見るだけでなく、その原理や働きを体験的に学ぶことができます。また、そのときどきの話題になっている発見や発明について、特別展示や講演などで最新の情報にふれ、理解することができます。また、専門的な教育、研究スタッフの助言、指導を受けながら、研究室や工作室を使って、自分のアイディアで実験や研究をすることができます。更に、“科学の公園”では(大学や研究所と相補的な内容の)科学の研究が実際に行われていて、来園者はそれに参加することもできます。また、同好者が集まって色々な会合を開いたり、色々なイベントを楽しむことが出来ます。このような“科学の公園”は子供から老人まで皆が楽しめる、学校教育とは別の、科学の普及のための有力な施設に成って行くに違いありません。この福岡市でその先鞭をつけることが出来れば素晴しいことではありませんか。

 福岡市には博物館、美術館、動・植物園、水族館、少年科学文化会館などの文化施設がありますが、ここに述べたような科学に能動的に親しむための本格的な施設はまだありません。たとえば、この程移転が決まった九州大学の、理工系キャンパスの跡地、建物、移転時に廃棄される標本、機器等を利用すれば立派な“科学の公園”の第一歩が踏み出せるのではないでしょうか。研究者にとってはもはや最新とは言えない研究機材であっても、大人・子供を問わず、目に見、手に触れて科学への興味をそそるものが沢山あります。勿論、“科学の公園”の候補地はこれに限ったことではないでしょう。いずれにせよ、幼い頃から日常的に科学の雰囲気に触れ、「科学の心」を育み、生涯を通じて科学を楽しむ場として、“科学の公園”を是非作りたいものと思います。


科学の公園の「基本構想」

 1995年、福岡市が2010年までの街づくりの指針となる第七次福岡市基本計画を作るに当り、その審議会がく一般市民から意見を公募しました。会では、“科学の公園”の「基本構想」を趣意書や会員名簿と共に、1995年8月に市へ提出しています。

「科学公園基本構想」(1995年7月31日作成)

[仮称]:
  福岡科学公園

[目的]:
*子供から大人まで生涯を通じて、いつでも気軽に科学を楽しんでもらう。
*若者の知的好奇心を刺激し、科学への興味を呼び起こし、科学の心を育む。
*”文化としての科学”の普及・発展に貢献する。

[特徴]:
 世界に誇れる新しい型の施設である。
*目で見、手で触れ、知識のあるなしにかかわらず科学の楽しさを満喫できる。
*来園者は自分のアイデアで研究、実験、工作などができる。
*市民と研究者との交流の場をつくり、科学への親密感を培う。
*専門の研究施設があり本格的な研究を行っている。
*日常生活に密着した緑あふれる公園であり、災害時には防災拠点として機能する。
 福岡市民にとって、魅力あるふるさとづくりの一環となる。

[施設]:
*科学探検館
 自然の驚異を題材とした展示や精巧な細工などを見るだけで楽しめるものから、来園者が体験を通じて科学・技術の原理や働きを理解できる実験装置まで多種多彩。内容は随時入れ替えて、折々の話題の科学・技術に触れられるようにする。模型やビデオ、コンピューター・グラフィックスなどを効果的に活用する。
*来園者が自分のアイデアで研究、実験、工作するための施設
 指導員が常にいて助言、指導を行う。来園者同士の交流を促進するための討論室やサロンもある。研究成果や作品は特別展示コーナーで紹介したり、マスメディアなどを通じて発表していく。
*高校生以下の若者を対象とした研究施設
 生徒が研究するための実験、工作設備。研究競技会や討論会、表彰などを行う。また、視聴覚室などの教育研究施設をもち、学校と連携をとって科学実験ができる。
*専門博物館群
 それぞれひとつのテーマについて、深く掘り下げた内容のコレクションを持つ。
*研究施設(観測所、研究所、研究センターなど)
 他の大学、研究所、企業等と相補的な観測、研究、開発を行う。(研究テーマや人員は主として公募による。)市民と専門研究者との共同研究や、日常生活の需要に応じた各種の相談、検査、調査なども行う。
*科学についての相談室
*全世界の大学、企業の研究所などへアクセスするためのネットワーク(インターネット)
*世界の木々園や温室、疑似自然林、生態研究用の人工環境施設などを持つ生物圏エリア
*公園内の水資源の再処理設備、大気汚染防止システムなどの環境保全施設
*書籍やビデオ、パソコン(インターネットにアクセス可)、各種資料を備えた図書館やデータルーム
*市民の憩の場所となる森林公園。研究価値のある木々があり、遊歩道で散歩が楽しめる。
*科学芸術の常設館
*巨大スクリーンと大音響で迫力満点のビデオシアター。ロケットの発射シーンなどを上映する。
*室内競技館、講堂、教室、イベントホール
*来園者による研究論文やイベント情報などを刊行物化する出版部
*科学公園オリジナルのミニ実験器具や模型などを販売するグッズショップ
*食堂、喫茶室
*宿泊施設(短期・長期用)
 全世界から研究者や講演者を迎えたり、研修や、子供たちの科学体験キャンプなどで使用する。

[建設計画]:
 充分な広さの敷地だけは計画当初に確保しておく。建物、設備などは長期計画で取り組む。

[人員]:
 それぞれ特別専門員と市民ボランティアからなる。
*『科学探検館』関係
  技術員(展示物等の製作・補修、来園者の工作を指導)
  保守員(会場を回り、展示物の保守や来園者への操作説明などを行う)
  学芸員(博物館の展示物の収集や管理)
*研究施設関係
  指導員(来園者への教育、助言、支援を行う)
  研究員(公園内の研究所や観測所に常駐。随時、指導員の役割も兼ねる)
*その他
  企画・広報員(展示、イベントの企画、出版、日常活動の広報)
  公園管理員



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「科学の公園」をつくる会